狂気 | 閉門即是深山(菊池夏樹) | honya.jp

閉門即是深山 290

狂気

五月の末、登戸でスクールバスを待っていた子供たちの中に分け入り2本のナイフを振り回した事件がありましたね!子供が亡くなりました。とても痛ましい事件です。

トランプ大統領が訪日している時だったと思います。確かにアメリカの国民が選んだ大統領にもしもの事があったら大問題ですが、来日される2~3日前から物々しい警備が続きました。私の居る赤坂のオフィスは、議事堂にも皇居にも、また大統領が泊ったパレスホテルにも近い。目の前を羽田から都心に通じる首都高速もある。何人もの警官が幾度も、街路樹から家々の庭樹まで丁寧この上無しと、調査してましたっけ!なんと延べ2万5000人の警官がひとりの要人を守っていたそうです。
もちろん、大統領付きの米人のSPたちもゴチャマンといたでしょうね。エアフォース・ワン大統領専用機からトランプ夫妻がタラップから降りた時、映画で観るようなお揃いの黒いスーツにサングラスをかけた見るからにSPと判る人たちが山のようにいました。が、それは、きっとごく一部で、普通の格好をしたSPたち、観光客を装ったSPたちが沢山いたのだろうと、想像していました。
確かに問題があっては、国の威信に係わります。でもね、2万5000人の警官をひと所に集めりゃ、他が手薄になるでしょ?少子化など困った問題を抱えながら登戸の事件など、大統領以下と見ている国は、やはりどうかと思う。

憲法の重要な課題に「日本国憲法は、国民の生命と財産を守る」と書いてあるじゃないですか?犯人は、悪い!これは、前提です。犯人の気持ちを想像すれば、生きて行くのが詰らなくなったのではないでしょうか?日本は、多少裕福になりました。それでも、格差が出来ています。裕福な方々もいて、きっとその周りを裕福な方が囲んでいるから、きっと判らないのでしょうね。多くの国民はやっと喰いつないでいるのです。老人は、金持ちだ!とか、徐々に景気が良くなってきた!とか、嘘ばかりつく政治には、呆れかえります。

生きて行くのが詰らないというのは、生きて行くのが面白くないのでしょう!犯人は、身勝手です。しかし、自分を殺すまでの勇気が無い。何人か殺せば、死罪にしてくれるという安直な気持ちが頭一杯になり、行動をする。自殺する勇気が無いから死罪を選び、弱い者を被害者にする。もっとも悪質ですが、その裏に権力のある人たちの間違った思い込みがあるのではないか、と思うのです。
生きて行く為には、生きるための楽しみが必要です。現代では、その楽しみにもお金がいります。カスカスじゃ、楽しみが持てない時代です。根源的な考え間違いを正さなければ、このような事件を防げないような気がするのです!

 


追伸・読者の皆様へのお知らせ

■ラジオ番組
私の祖父・菊池寛の著作『満鉄外史』(原書房刊)がNHKラジオ第2で全40回にわたって朗読されます。タイトルは、朗読「菊池寛~満鉄外史~」です。放送日及び再放送日、番組ホームページ(NHKラジオ第2文化番組)でも聞けます。日時を列挙いたします。お時間のある方は是非に!

放送日:6月3日(月)~7月26日(金)
午前9時45分~10時の15分間
再放送:6月8日(土)~毎週土曜日
午後9時45分~11時(月~金一挙放送)
NHKラジオ第2 文化番組ホームページ
https://www4.nhk.or.jp/roudoku/

 

■講演会
令和元年 7月27日(土曜日)午前11時より
場所:高松市菊池寛記念館ホール
香川県高松市昭和町1-2-20 サンクリスタル3F
お問い合わせ:高松市菊池寛記念館
電話 087-861-4502
詳細は、高松市菊池寛記念館ホームページにて
http://www.city.takamatsu.kagawa.jp/kurashi/kosodate/bunka/kikuchikan/index.html