Where have all the flowers gone? | 閉門即是深山(菊池夏樹) | honya.jp

閉門即是深山 436

Where have all the flowers gone?

ちょうど私が16歳の頃、1962年にPPMが歌って日本中の若者の間でヒットした曲だった。ギターが1本あれば、大合唱が出来る。ひとりでもギターを爪弾きながら歌える。「500マイル」というフォーク曲と共に、大流行りした曲だった。

PPMとは、ひと組のフォークソンガーのピーター、ポール&マリーの愛称で、3人で反戦歌を歌い続けていた。時は正にベトナム戦争の頃で、私はよくこの曲を聴いた。諳んじた!PPMもそのころ時々来日して、彼らのライブに私も友人たちと度々聴きに行ったからだ。

「Where have all the flowers gone?」というタイトルは、日本語で「花はどこへ行ったの?」とか「花はどこへ行った?」と訳されていた。
この作詞・作曲は、アメリカ人のアメリカンフォークシンガーの父ともいわれたピート・シンガーにジョー・ピーカーソンが加わって作ったモノで、ロシアの作家ミハイル・ショーロオフの『静かなるドン』に出てくるコサックの民謡の歌詞にヒントを得てピート・シンガーが作詞したと聞いたことがある。PPMがレコーディングする前、1961年にキングストン・トリオが最初に発表したとも聞いた。


「花はどこへ行ったの? 少女が摘んだ!
その少女はどこへ行ったの? 好きな男へお嫁に行った!
その男はどこへ行ったの? 兵隊になって戦場に行った!
兵隊たちはどこへ行ったの? 死んで墓の下で土に戻った!
墓はどこへ行ったの? 花で覆われたのだよ!」

 

「花はどこへ行ったの? 少女が摘んだ!」と、また最初に戻る。私でもわかる、わかりやすい英語の歌詞で、皆が覚えて歌っていた。
当時、日本では、デューク・エイセスや園まり、ザ・ピーナッツ、ザ・フォーク・クルーセーダーズもレコードを出しで歌っていた。アメリカがベトナム戦争を引き起こし、アメリカ人たちがこの作詞・作曲し、アメリカで大流行りをして世界中が歌った歌。大きな矛盾を抱えているが、それが人間なのだろうか!

そして今、ロシアのコサックの民謡から作られたこの歌が、Mr.ChildrenやMISIAと加藤登紀子によって歌い戻されている。皮肉なものだ!ロシアの民謡で、ウクライナを応援し、ロシア人にこの苦境を訴えなければならないとは!
戦争は、いつも繰り返され、人は、いつになったら、その愚かさに気がつくのだろうか?ねぇ、プーチンさん!