ロシアへ愛をこめて | 閉門即是深山(菊池夏樹) | honya.jp

閉門即是深山 435

ロシアへ愛をこめて

ひと月くらい前のニュースだが、ロシアの赤の広場での軍事パレードをニュースで見なかった人は少なかろうと思う。2日あまりでウクライナの首都を陥落させられると勘違いしたプーチン・ロシア大統領は、ウクライナ東部の海に面した地域を全てロシア化してウクライナの流通を困難に追い込み、経済弱体国にしようと企んだみたいだ。ところが、そうもいかなかった!プーチン・ロシア大統領の思惑は、外れた!何が何だか知らされてもいないロシア軍とこれ以上攻め込まれれば国の存亡にかかわるウクライナ軍の胆力の違いをプーチンさんは、気がつかなかった!世論は、ウクライナ軍の情熱に加担した。ロシアの弱体化を望むアメリカ大統領バイデン氏は、最新鋭の兵器をウクライナに供与した。NATOの国々も各々の立場を考慮の下で、協力をした。ロシアと仲良しだった習近平氏は、横目で見ているだけだった。

6月中旬になれば、ウクライナ側の兵器も揃うとニュースキャスターは伝えていた。赤の広場のパレードは、命を受けた兵士たちだけが「ウラー!」と叫びを上げるが、何か空しくも感じた!私なんかテレビの前で「ウララ、ウララ!」と昔の流行り歌を思い出していた。戦争の中で「6月中旬にアメリカや欧州から兵器届く」なんて本当のことを、それもこれほど重要な情報を流す国があるだろうか?「敵に塩を贈る!」なんて諺もあるが、リアルな戦闘の中、特に情報戦の中、いくらなんでも誰も信じていないだろう!プーチンさんは、赤の広場で「これは民主主義と専制主義の戦いだ!」と言った。あれ、これはアメリカ大統領のバイデン氏がプーチンさんのコメントに返した発言だったかな?

プーチンさんは、私さえまだ生まれていなかったナチ時代の言葉を連呼した。ピントのぼけた発言の数々、私にはプーチンさんの顔が何かに恐れ慄いているように見えた。そりゃ、そうだろう!自分のピンボケした頭で考えたシナリオ、どんな作家だって馬鹿馬鹿しくて書かないようなシナリオを本気になって追行しようとしている自分を鏡で映してみれば、恐ろしくなる。人ひとりを殺めても、それが、ふたり、三人でも、気狂いするほど恐ろしくなるのが、人間の良心なのだ。人間の良心をなくしたプーチンさんだって、その数に自国民を殺めた数を足せば、自分の性の恐ろしさに恐怖を感じるだろうに!
「いや、あの人に限って良心なんかないよ!」という声も聞こえるが、人間、他人を殺めることが恐ろしくないはずは、ない!

さて、形勢が逆転すればロシアは、この世からなくなることだってある。プーチンさん、経済は悪くなくとも、またお金に困ることがなくても、大勢のロシアの若者が死に、武器の調達も出来なくなる。一方、ウクライナは、大国も小国だって世論が付いているから形勢逆転の可能性は、充分ある。
プーチンさん、今が土下座をする最後のチャンスかも知れませんぞ!ウクライナの全て占領した土地を返還し、多大な賠償金を払い、親ロシア派のロシアを愛してやまない人たちをロシアに連れて帰れば、宜しいでしょう。ついでに、日本から騙し取った北方領土も返還して!ヒトラーの上を行っちゃいけませんよ!
ロシアへ愛を込めて!