権力の怖さ! | 閉門即是深山(菊池夏樹) | honya.jp

閉門即是深山 434

権力の怖さ!

テレビのニュースでは、一昨年から昨年までコロナのニュースがトップにきていた。そして、次は、プーチン率いるロシア軍のウクライナ侵略戦争のニュースが長く続いた。次のトップニュースは、知床半島観光船沈没のニュースだった。そして、次にトップニュースになったのが、2019年に山梨・道志村の山中で行方不明になった当時7歳の女の子小倉美咲ちゃんとおぼしき人間の骨、靴や靴下、着ていた黒のハイネックのシャツが発見されたニュースであり、続いて熊本県屋代市のサッカー強豪校、秀岳館高校の30代のサッカー部コーチの暴力事件がトップニュースとなった。

コロナは、世界的に蔓延した感染症であるから話は置いておく。また、小倉美咲ちゃんの衣服類は警察が躍起になって事故・事件性を捜査しているだろうから、これも話から外す。残るは、ロシアが仕掛けたウクライナとの戦争、知床観光船の沈没、そして、サッカー強豪校秀岳館高校の暴力事件である。もちろん事件としては、大きさに違いがあるにしても、根底に『権力』という言葉がちらついてみえる。

知床の問題は、乗組員を含めて26名が命を落としたと推測される。観光船が出航してから事務所で連絡を待たねばならない社長が、病院に行っていたと嘯く。その社長のコメントを聞くと、社としての責任は全て自分にあるが…船長と話し合って条件付きで出向させたのだから…と、責任を船長に擦り付ける。もし船長が船を出したくないと言っても、この不況だから「お前の給料は、どこから出ているのか」と、社長が言っていたら、荒れるかも知れない海に向かって船長は出航せざるを得なかっただろう。社の権力を握る社長が、保身している言い方をしてはならないのだ!

秀岳館暴力事件、びっくりした!記者会見に出て来た49歳の段原一詞監督の発言だ。Jリーガー13人も育てた人物とは思えない発言だった。被害者であるはずの部員11人に「お前たちは、被害者なのだからマスクをとって顔を出せ!名前も言え!」のようなことを言ったそうな。自分は、記者会見にマスクで顔を隠している。もちろんコーチは、以ての外だが、Jリーガーを13人も排出したことも含めて、権力的な考えを持ったに違いない!だって、この2年間に何十回も似た事件があったのだから気がつかねば監督として失格であろう。謝って済む問題ではなかろうに!ちょっと前に日本大学の問題があったはずだ!秀岳館も学ばないねぇ!今、ロシアの戦争が大きな問題となっているが、この段原監督も思い上がった権力主義に偏っているのではないか?

権力主義の人間達に共通しているのは、責任を持とうとしないのだ。権力を持ち、それを行使すれば、大きな責任を負わなければならない。それが、民主主義の根幹であるはずだ!私は、以前から民主主義に亀裂が出来ているのではないかと訝っていた。岸田首相は「新・民主主義」を主張するが、内容が伝わってこない!ロシアから、入国禁止の63人の名簿が送られてきた。マスコミも入っているが社長名が多い。私の社友である文藝春秋の週刊文春の編集長だけが名前を載せられていた。マスコミは、生きている!それも愛する社の中に、万歳、バンザイ!