第58回香川菊池寛賞 | 閉門即是深山(菊池夏樹) | honya.jp

閉門即是深山 469

第58回香川菊池寛賞

菊池寛賞は、ふたつある。文藝春秋の日本文学振興会が毎年秋に発表する菊池寛賞がそのひとつ。もうひとつは、四国高松市が行っている文学新人賞的な香川菊池寛賞である。

祖父・菊池寛は、昭和23年3月6日に亡くなった。
この高松市が催している香川菊池寛賞は、昭和40年から始まったと聞いた。私が大学に入った年に始まったことになる。
ひとつの文学賞で58年も続くとは、おそれいる。今年は、『月刊 文藝春秋』100年記念の年にあたり、会社の文藝春秋が創立して100年である。
100年は、社として長い。今や有名になっている芥川龍之介賞も直木三十五賞も昭和10年に制定されているし、本家本元の菊池寛賞は、昭和14年に制定された。戦争中に中断したが、菊池寛が亡くなった後、1952年から菊池寛のやった仕事をもとに新たな形で復活再開した。

だらだらと書いてきたが、地方の文学賞で、地方の文藝のために58年も続けた市民の力は、驚嘆すべきで、大切にすべきだと思う!
四国高松は、何年かに一度全域を使って美術展を行う!そのことを日本人は、あまり知らないし、興味も持っていないようだ。が、海外では、賞賛し、香川の美術展を見たいと思っている外国人は、多いようだ!また、音楽にも力を入れている。これら芸術は、個人の力ではどうにもならない!海外では、昔はキリスト教会や貴族、国王がスポンサーやパトロンになっていたくらいだ!お金がかかり、それを取り返す方法もない!しかし、芸術は、人間の人間である証と言っても過言ではなかろう!地球上のどんな動物も物語を考えることが出来ないのだ!人間以外は。

さて、今、私は四国香川の高松に来ている!
第58回香川菊池寛賞に出席し、祝辞を述べるためにである。が、今回は、祝辞にならないかも知れない!香川菊池寛賞の本賞と奨励賞があるのだが、文学的価値においては、私は逆だと思っているからだ!
誰かを傷つけることになるかも知れない!が、祖父菊池寛が言ったように
「ボクは、いい作品には少しオーバーに褒めることはある。しかし、いいと思わない作品を褒めることはない!」
私も、そう考えてはいるが会場に行くのが辛い!