オリ・パラの効用| 閉門即是深山(菊池夏樹) | honya.jp

閉門即是深山 393

オリ・パラの効用

昨年、2020東京オリンピック・パラリンピックが新型のコロナウイルス蔓延によって1年遅らせることが決まった後に、やるのやらないのの議論が始まった!

それが、加熱したのだ。こんな状態ですからやれません、お許しを!と頭を下げたならば、まだいいが、1年遅れでもやると言った以上、アホのような議論だった!

それじゃあ日本人の誇りの「お・も・て・な・し」日本の美学、日本の心は、どこに行ってしまったのだろう。太平洋戦争が終結しておよそ70年強、やっと日本の良さ、日本文化のすばらしさ、が伝達できるようになってきたというのに、これじゃあ外国の人から何を言われるか判らないし、何を言われても甘んじて受けねばならないだろうに!

確かに、コロナウイルスも株が変異し、通称インド株と呼ばれるコロナは伝染しやすいそうな。インドも可哀そうで、自分たちは悪くないのに悪名を付けられてしまった。

およそ100年前に猛威を振るったスペイン風邪は、確かさの程度は判らないが、アメリカの兵士がスペインに持ち込んだと聞いた。また、相撲風邪とも呼ばれたのはスペインで友好親善のために巡業した相撲取りが伝染して帰国し蔓延したらしい。とにかく、このような時には、流言飛語がもの凄い!また、それをまともに信じる輩が多い。

新聞・雑誌・テレビやラジオのニュース番組や特集をしっかり見聞きすれば、流言飛語か否か判りそうなものだが、最近は、何が忙しいのか新聞も取らないし、テレビ・ラジオも観聴きしない。あまりにも勉強不足な国民が増えてきてしまった。と、自分の事を棚に上げて書いてしまった。

「無観客」は、選手たちに可哀そうだ!張合いが無いと思う!しかし、こんなオリ・パラがあってもいいかなと思うこともある。ホームとアウェイが無いのだ!どうしても東京でやれば日本人の判官贔屓がある。パリでやればフランス人の、ロスでやればアメリカ人の。

今までのオリ・パラは、それを承知でやってきた。日本人は地元で出来、外国人は、長旅の疲れを背負う。気候、温度、湿気の問題もあろう。あえて、無観客を擁護すれば、悪いことばかりではない。平等は、オリンピック・パラリンピック精神のひとつであるものだから。小学生だけでも観せても良かった、次の時代のためにね。

私は、オリンピック会場が沢山ある地域の有明の近くに住んでいる。沢山の会場の建設を嫌でも見て来た。その幾つかは取り壊されると言う。「もったいない」。

たしかに維持費はかかるかも知れないが、また感染するような病気が流行らないとは言えない。野戦病院に出来る。スケボーやマウンテンバイク、馬術などマイナーと言われるスポーツの練習場がほとんど無い。

もう使い捨ての時代は終わったのだ。コロナが修復した時に時代は、人間の心は、きっともっと変わっていると思う。あんなにオリ・パラやるやらない問題があったのに、やりだしたら収まってきた。

都民など宣言下の中で家の中にいろと言われてオリ・パラが無かったら鬱憤が溜まってしまうだろう!家の中で会話も進まず、崩壊を招いていたかも知れない。

あ~ぁ、スペインはサッカー大国だもんなぁ~!卓球、凄かったはよ~!女子のボクシング金メダルとったんだってねぇ!こんな会話が、僅かでもコロナ鬱から救ってくれている。