お勉強 | 閉門即是深山(菊池夏樹) | honya.jp

閉門即是深山 288

お勉強

5月の連休明けだったか、5月の中旬に馬鹿な代議士が北方領土に行き、バカな発言をして謝った。自分で喋っておいて、それを訂正し、謝罪をすれば赦してもらえる、無かったことになる、という摩訶不思議な理屈がどうも永田町界隈にはあるらしく、それで責任は果たしたと、周りも納得しているようだ。現首相も閣寮たちも、有名政治家もキャリヤ官僚も。

「坊や、いったい今まで何を習ってきたの?いったい何を教わってきたの?」なんて歌詞を思い出してしまう。夫婦でも、家族にも、友人たちでさえ、間違って口を滑らせ怒らせてしまったら、謝っても許してはくれまい。訂正するなんか火に油を注ぐようで、ますます怒らせてしまうだろうに。夫婦だったら離婚問題に発展しかねない。家族だったら一家離散になりかねない。友人同士だったら、一生死ぬまで逢うことの出来ない間柄になってもしかたがない。

私も73歳、この歳でも戦争を知らない時代の生まれである。が、戦争の悲惨さは、学んできたと思う。「いやいや、私は、北方領土をロシアからの返還問題に関して、戦争をしてでも取り返したいか調査したまでだ」と若造議員は、逃げたいのだろうが、あまりにも近代史を知らな過ぎる。日本から見れば、戦争で白旗を挙げた後にロシアが参戦してきたのだからと言いたいところだが、ロシアにはロシアの言い分がある。仲違いしていない時は、北方四島と樺太と交換しようよ!いいよ!なんて時代もあったのだから、特にお隣さんとの関係は、難しいのだ。一戸建ての家や、マンションでも向う三軒両隣には、気をつけなければならない。広辞苑で引けば【向う三軒両隣】とは、自分の家の向こう側家三軒と左右二軒の隣家。日常親しく交際する近隣、とある。ロシアや中国、韓国、北朝鮮、台湾は、日本の【向う三軒両隣】と言ってもいい。そこに戦争を絡ませた話をすれば、何がどうなっても良いぞ!と言っているのと同じで、言うなら「腹に力を入れて」言え!と言いたい。戦争は悲惨なもので、やられた者もやった者も、後悔が後に残る。その時の理屈では「戦争せい!」となっても多くの人間に悔いと哀しみが残るのだ。

おい、代議士の坊や、いったい何を学んできたんじゃい!聞けば役人上りだそうじゃないか!東大だろ?東大は、いったい何を教えてきたんだ!東大に入るためには、それなりの高校や塾に通っていたのだろう!何を教えてきたんだ!あんなバカ代議士ばかりじゃないよ、もっとちゃんと学んできた人たちも…!いや違うね、教えてもいないし、学んでもいないね!本当の勉強をしていない。経産省の試験だって、面接官だって、同罪に近いものがあると、今回は思うね。そんな奴は、人の上に立つ資格は無いよ!

 


追伸・読者の皆様へのお知らせ

■ラジオ番組
私の祖父・菊池寛の著作『満鉄外史』(原書房刊)がNHKラジオ第2で全40回にわたって朗読されます。タイトルは、朗読「菊池寛~満鉄外史~」です。放送日及び再放送日、番組ホームページ(NHKラジオ第2文化番組)でも聞けます。日時を列挙いたします。お時間のある方は是非に!

放送日:6月3日(月)~7月26日(金)
午前9時45分~10時の15分間
再放送:6月8日(土)~毎週土曜日
午後9時45分~11時(月~金一挙放送)
NHKラジオ第2 文化番組ホームページ
https://www4.nhk.or.jp/roudoku/

 

■講演会
令和元年 7月27日(土曜日)午前11時より
場所:高松市菊池寛記念館ホール
香川県高松市昭和町1-2-20 サンクリスタル3F
お問い合わせ:高松市菊池寛記念館
電話 087-861-4502
詳細は、高松市菊池寛記念館ホームページにて
http://www.city.takamatsu.kagawa.jp/kurashi/kosodate/bunka/kikuchikan/index.html