P.E.N. | honya.jp

閉門即是深山 25

P.E.N.

日本ペンクラブという組織がある。
横文字で書くとJapan P.E.N. Club となる。
偉そうに、英語で書く必要はないのだが、この「P.E.N.」には意味がある。
ペンクラブというと、「ペン=筆」を使った職業、作家だけの倶楽部と思われがちだから、少々説明が必要だろう。

ペンの「P」は、ポエト、詩人のことである。もうひとつ、プレライト、劇作家も含まれる。
「E」は、エディターとエッセイセスト。つまり編集者と随筆家や評論家を指す。
「N」は、小説家。ノベリストのことだ。これがペンクラブの正体、これらのひとたちが組織する倶楽部なのだ。最近の名称変更で、日本ペンクラブは、一般社団法人日本ペンクラブとなった。

日本ペンクラブは、その歴史も古い。1935年、ロンドンに本部をもつ国際ペンの日本センターとして創立された。
話しによれば、満州事変の後、国際連盟から日本が脱退したとき、国際的に孤立に向かう状況の中でリベラルな作家たちの手によって創られたものらしい。
国際ペンの創立者は、英国の女性ドーソン・スコットと聞いたことがある。ドーソン女史は、新人作家のクラブ「トウモロー・クラブ」を創った。それが、国際ペンの基となった。
日本では、島崎藤村が初代会長となり、正宗白鳥、志賀直哉、川端康成と続いた。現在の会長は『鉄道員(ぽっぽや)』で第117回の直木賞を受賞し、『壬生義士伝』や『プリズンホテル』で読者を楽しませてくれている浅田次郎氏である。
国際ペン、もちろん日本ペンクラブも同じだが、そのフラッグというか憲章には「表現の自由」「自由人権」がある。また、「世界の平和」も掲げている。現在騒がれている「特定秘密保護法」や「脱原発」もこれにあたる。

来る3月15日の土曜日に日本ペンクラブと専修大学人文ジャーナリズム学科の共催で、元総理の官直人氏の講演会がある。
情報がギリギリになって、このブログの読者の方々にお詫びせねばならない。
私は、日本ペンクラブの企画事業委員会の副委員長としてボランティア活動をしているが、今回の講演会は、環境委員会の催しだそうだ。環境委員長は、作家笹沢左保の大当たりシリーズ『木枯らし紋次郎』の紋次郎役をした俳優・中村敦夫氏である。「あっしには、かかわりねぇことでござんす!」50歳以上の方々ならば、紋次郎シリーズを覚えておいでかも知れない。
講演のテーマが面白い。『福島原発事故──総理大臣として考えたこと』という。
講演に誘うパンフレットに次のようなことが書かれていた。

《国家存亡の危機に至っても、官邸には正確な情報が上がってこなかった。
官邸が最初の水素爆発を知ったのは、事故後1時間以上も経ってから放送されたテレビ画面からだった。官邸に派遣されていた3人の専門家たち 班目原子力安全委員会委員長 東電の武黒フェロー 寺坂安全保安院院長は、あいまいで無責任な説明をくり返すだけ。
意図的か?無能が原因か?とてつもない原子力村のサボタージュが見え隠れする。原子力村は、メルトダウンの予測も、放射能拡散のシュミレーション「スピーディ」のデーターも隠し続けた。首相自ら現地へ向かったり、東電本社に乗り込まざるを得なかった事情があるようだ。
事故の体験で、思い切って「脱原発」に政策転換した当時の最高責任者・官直人氏から話を聞く!》

講演会は、二部制になっている。第一部は、元首相の官直人氏の講演、第二部は、質疑応答で、日本ペンクラブの会員たち、茅野裕城子さん、山田健太さん、吉岡忍さんが質問者として立っている。喧々諤々な論争が期待される。
あの東電問題からちょうど3年が経つ。この間、元首相も詳しくは語っていない。面白そうな講演会になりそうだ!
宣伝を書く。もし、聞いてみたい、参加してみたい方々のための情報である。

開催日時は、2014年、今年の3月15日(土曜日)。時間は、14時から17時予定。
場所は、東京都千代田区神田神保町3-8 専修大学神田校舎303教室。
参加費は、無料、無料、タダと書いてある。先着500名が入場出来る。大きな校舎だ。申込不要とあるから、時間に余裕がある方は、ぷらっと行ってみて欲しい。交通アクセスもパンフに書いてあるが、探してほしい。
JR水道橋駅から7分、地下鉄九段下駅から3分、地下鉄神保駅から3分とある。

あ~ぁ!やっぱり全部書いてしまった。なんて私は優しいんだろう!
無料!タダ!無料! 今時タダなんてあまりありませんぞ~っ!

▼詳しくはこちらをご覧ください
「脱原発を考えるペンクラブの集い」part4
http://www.japanpen.or.jp/news/guide/part4_315.html