湾岸の楽しみ方 | honya.jp

閉門即是深山 35

湾岸の楽しみ方

春の連休は終わってしまったけれど、今回はちょっと東京の湾岸地域を紹介したいと思う。
東京にお住まいの方も、あまり東京湾のほうに行かれたことが無いかも知れないので、日曜の散歩の参考にでもして頂ければいいと思う。かく言う私も中野や目白付近に住んでいたとき、東京湾岸地域にあまり足を向けなかった。地方の方が休日や夏休みにちょっと何処かに旅をしたいなぁ、と思われたら、このブログを参考にして頂ければ、書く方も嬉しい。と、いってもどうも最近は、東京が旅の名所になったらしい。今、私の住む街は、湾岸といっても銀座から地下鉄で3駅目だから、東京湾といっても便利な場所である。

さて、1日遊びと、1日泊れるのでは、多少案内も違ってくるが、1日散歩にしておこう。面白ければ、その場所で時間を使えば、1泊の方たちも楽しめるからだ。

新橋から出発しよう。
新橋駅は、現在汐留サイトと繋がっているし、汐留には、徳川の直轄庭園だった浜離宮もある。また、食いしん坊には、築地の場外の食堂や寿司屋が並ぶから、朝食をそこで摂るのも一興かも知れない。新橋駅の東口を地上に出ると、目の前に無人モノレール「ゆりかもめ」の入場口がある。「ゆりかもめ」は、新橋駅から汐留を抜け、大型客船が就航する竹芝桟橋、日の出桟橋、芝浦桟橋を通る。この辺を見るには、東京湾側が左だから左側の席を取ると良い。浜離宮が眼下に見える。そして、芝浦桟橋を越した所から、くるりと一回りしてレインボーブリッジに登って行く。レインボーブリッジの上から見ると、左側の景色が東京の銀座、築地本願寺、勝鬨橋、月島や佃島である。右側に見えるのが、品川埠頭、大井埠頭、羽田となる。「ゆりかもめ」は、レインボーブリッジで東京湾を跨いでいる。このあたりで空いていれば席を右側に移るといい。

次の駅お台場海浜公園は、都心で唯一の砂浜がある。6年後のオリンピックではトライアスロンで使用すると噂で聞いた浜辺だ。

次は、テレビでお馴染みの「台場駅」である。目の前にフジテレビがあるから、天気予報やドラマのシーンでこのあたりがよく使われている。レストラン&ショッピングには、駅右手にあるアクアシティーや左手のフジテレビの裏側にあるダイバシティー東京などがある。ショッピングには、ダイバシティー東京が向いていかも知れない。GAPの姉妹店オールドネービーやH&M、スペインのZARAやフォーエヴェー21、ユニクロなど若いひと向けの比較的安い店もあるし、アルマーニのセカンドラインAJやCOACH等ミドルエージ向けの店もある。1階には、東京みやげの店も豊富だ。しかし、食事となる店が少なく常に混雑しているからアクアシティーを勧める。そのビルには、映画館も併設されている。そこからひと駅乗ると、船の科学館前である。子供が楽しめる場所だ。南極越冬船宗谷丸に乗船できるらしい。また、アウトドア派には、東京湾に沿って公園がある。海を見つめ、羽田から飛び立つ飛行機を楽しみボーっとするのもいい。

次の駅は、大江戸温泉物語があるテレコムセンター駅。都心で本物の温泉を楽しむには、後楽園、豊島園とそしてここだ。海を見ながら温泉に浸かり、食事を楽しむこともできる。青海駅から国際展示場正門駅まで、海辺の散歩道が整備されている。青海駅には、大観覧車があり、天気が良ければ千葉や三浦半島まで観えるらしい。東京も一望できるという。有明、市場前を過ぎ新豊洲駅には、やはり海辺に沿ってバーベキューを楽しむ店がある。ただ、築地市場がこの地に移ってきたり、オリンピックの準備が始まると簡易テントのこの店は、閉店するかも知れない。また、トイレなども簡易なものだから、綺麗好きなひとには、次の駅終点豊洲にある CAFE;HAUS のバーベキューをお勧めする。その店には建物があるから、トイレも綺麗だし、その庭でバーベキューができる。だが、少々残念だが、ららぽーと豊洲の陰になるので海は見えない。

この豊洲を楽しむには、「ららぽーと豊洲」を薦める。まず、子供たちに優しい。子供たちが、いろいろな仕事を体験できるキッザニアがある。フランフランや無印良品、バナナリパブリックやTOMMY HILFIGER、GAP等人気ブランドが揃っているし、パンケーキで有名なバターや沢山の飲食店がある。もともとこの場所は、石川島播磨重工業の船のドッグがあった場所だった。中庭も広く音楽イベントも多い。また、ドッグだった場所が中庭になっていて、船の港にしている。そこから東京クルーズが40分1000円くらいで楽しむことができるのだ。浅草行きの「ヒミコ」も立ち寄る。

クルージングのクルーザーアーバンランチは、月島を左に見て走りだす。向かいには、昔ここが材木の深川だったことを思い出させるように貯木杭がある。
月島は、もんじゃ焼きで有名になった所だ。月島は、現在佃島と橋で繋がってひとつの島に見える。佃島は、あの佃煮の発祥の島で、徳川家康が江戸を開城するにあたって大阪から釣り人の一族、森一族(佃衆)を江戸に連れてきてここに住まわせたらしい。当時は、直径200メートルと小さな島だった。

ランチは、赤穂浪士四十六人が渡った永代橋をくぐり、東京スカイツリーを見ながらUターンする。昔、市場が日本橋にあったころ、大きな船から荷物をここで、小舟に移し替えた。浅い河には猪牙舟がむいていた。が、灘から運ぶ酒だけは重く船底がつくので、川に入れない。酒は、ここで降ろした。いまでも、大きな日本酒メーカーがこの地に多い。
ここらまでが東京湾で、そこから隅田川となる。江戸時代この隅田川を大川と呼び、東京湾を江戸湊とか江戸湾、江戸前と呼んだ。寿司屋の看板に江戸前とあるのは、東京湾で捕れた魚介を出したからだろう。江戸っ子の気性がせっかちだったからだろう、江戸時代は、現在タイやシンガポール、ベトナムの風景で観られるようにほとんどが屋店であった。寿司や天ぷら、鰻など屋店で出していたのだ。冷蔵庫の無い時代であるから酢で腐らないようにしたに違いない。

ランチは、今度は、左手に月島、佃島を観ながら進むことになる。右手には、聖路加病院が見えてくる。この地は、多くの大学の発祥の地で、明治学院や立教学院、慶應義塾や青山学院の記念すべき地でもある。私の祖父・菊池寛の親友で文豪、芥川龍之介もこの地で生まれた。また、忠臣蔵の浅野内匠頭の屋敷跡もここである。

ランチは、築地市場の脇をすり抜け、浜離宮を海から見てレインボーブリッジをくぐりながらお台場に抜け、豊洲に戻る。さて、東京中心部に行きたい人は、2~3分の所に地下鉄有楽町線の駅がある。東京スカイツリーと東京タワーを一度に観ることのできるのがこのランチだ。

たまには、海から東京を眺めるのも良いのではないかな! いかがですか? あなたも鬼平になって江戸を楽しんでみませんか?
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