高千穂の天岩戸 | honya.jp

閉門即是深山 120

高千穂の天岩戸

学生時代のバンド仲間にひとり加えた新しいバンドの今年の初練習日が、ちょうど芥川龍之介賞と直木三十五賞の発表の日と重なった。

練習の集合時間は、夜8時であった。場所は、このバンドの練習によく使う三軒茶屋のスタジオである。
私は、1時間前に三軒茶屋に着いていた。三軒茶屋は、最近若者が集まる場所としてよくテレビなどで報じられている。バンド仲間のひとりが彼の父の代から住んでいる街だったので、私も小学生時代から慣れ親しんでいる。待ち合わせの場所に入るには、まだ時間があった。肩からスネア・ドラムとスティックケースをかけた私は、スタジオに向かう商店街の路を好みの喫茶店を探して歩いた。ひとつの店に入って、珈琲を注文した私の携帯にメールが入ってきた。7時25分であった。「芥川賞に滝口さんと本谷さん」と見出しにはあった。第154回芥川賞に滝口悠生さんが「文学界12月号」に発表した『死んでいない者』と本谷有希子さんが「群像11月号」に発表した『異類婚姻譚』が授賞したようだ。滝口さんは33歳の方で、『楽器』で新潮新人賞で作家デビューし、芥川賞は、2回目の候補である。また、本谷さんは36歳、「劇団 本谷有希子」を旗揚げし、芥川賞4回目で授賞した。

直木賞は、時間がかかったようだ。芥川賞授賞のニュースの1時間後、67歳になられた青山文平さんの『つまをめとらば』が授賞したニュースが入ってきた。青山さんは、2011年に松本清張賞を授賞し、今回2回目の候補で直木賞に選ばれた。過去2番目の高齢受賞らしい。
青山さんの「つまをめとらば」は、短編集で、選考委員の宮城谷昌光氏の言では「筆力のレベルが高かった」とのことだった。
三軒茶屋の練習は、2時間で、10時に解散となった。私は、家路を急いだ。次回の練習日を決め、スタジオを後にして11時に帰れるかどうか。明日は、羽田発宮崎空港行き朝10時発のJALに乗らなくてはならない。

羽田のラウンジからは、雪を頂いた美しい富士の姿が見えた。静岡側や甲府側から見た富士の姿は違うらしいが、東京から見える富士山は、少し太りぎみのようである。不思議なもので、富士が見えると何か得をした感じになる。
今年、3月5日(土曜日)の12時から始まる日本ペンクラブ第32回「平和の日の集い」は、宮崎県延岡市総合文化センター大ホールで催される。
私は、高橋常務理事、平和の日副委員長、事務局の幸ちゃんと羽田を発った。スケジュール日程表を見るとかなり過密である。
10時発JAL689便に搭乗。11時50分、宮崎空港着、空港内で昼食(到着出口に出迎え有り)、12時40分県公用車で県庁へ移動。知事表敬訪問(「平和の日」開催の御礼と広報協力を依頼)終了後、同公用車で延岡市へ移動(1時間30分程)。15時、延岡総合文化センター下見・設営・進行打合せ。
17時ホテルにチェックイン後、平和の日シンポジウム会議会場下見・ホテル担当者と打合せ。
どうせならと、次の日の予定も書き記しておく。
10時ホテルチェックアウト(市の車で移動)。10時半、延岡市長表敬訪問、市役所の記者クラブにおいて、記者会見(約1時間の予定)。出席予定報道会社、読売新聞西部本社、毎日新聞社、朝日新聞社、西日本新聞社、宮崎日日新聞社、夕刊デイリー新聞社及びご当地放送局各社出席のもと。
12時より12時45分、昼食。
13時宮崎日日新聞社訪問(JTフォーラム(5/19市内フェニックス・シーガイヤ・リゾートに於いて)開催御礼と「平和の日」事前告知掲載及び当日の取材・後追い記事掲載のご依頼をする)。
13時40分夕刊デイリー新聞社訪問(上記と同じご依頼内容)
14時書店訪問(書籍販売ご依頼・打合せ)。
17時10分宮崎空港着(延岡市内から移動に2時間)
18時50分JAL698便搭乗(空港内で夕食・3月の下見を兼ねる)
20時20分羽田空港着。 ね、70歳の私にとっては、かなりの強行軍でしょ!

さて、因みに3月5日(土曜日)の第32回「平和の日」延岡の集いの〈プログラム〉には、
「オープニング」 挨拶:日本ペンクラブ会長 浅田次郎、首藤正治延岡市長。
「リレートーク」テーマ:平和の日に想う 子ども・いのち・神話・自由
出演/澤地久枝VS加賀乙彦、新井満VS吉岡忍、花田景子VS中西進、浅田次郎VS山本晋也 とある。ぶっつけ本番ですからどんな話しになりますやら。

延岡の印象は、とにかく食事が旨かった。空港で食べた半ラーメンも、地元の方に連れて行ってもらった食事処の鳥料理や馬刺し、刺身全ても。その後で行った素晴らしいカウンターバーで出されたワカメの突きだしや果物のような「きんかん」も、何もかも旨かった。延岡市の知識は無かったが、高千穂に近く、天岩戸が観れるらしい。仕事ばかりで行けなかったが……私の先祖、くこち日子(狗古智卑狗)が居た狗奴国(くなこく)もこの辺りにあったのかも知れない。温泉も良いと聞く。昔の夢のまた夢なのだが。延岡の食がこんなにも美味しいなんて、内緒にしておきたい。私は、3月にも延岡に行ってくる。