あのホテルも地に落ちた! | 閉門即是深山(菊池夏樹) | honya.jp

閉門即是深山 518

あのホテルも地に落ちた!

私の若い友人が、仕事が忙しかったせいで正月休みを今頃になって取ることが出来たらしい!
以前行った沖縄の有名な島に、これも有名な名前のホテルが最近出来た。元気な青年だが、あることがあって傷心旅行をはかったのかも知れない。

旅の前日、彼は何べんもそのホテルと電話で話をしていた。私は、後から彼と会ったので、何の理由で往復電話をしあっていたかはよく知らないでいた。電話がかかるたびに彼の声が荒くなっていた。そのホテルは、世界をまたにかけるようなホテルで、仕事で海外によく行く彼にとっては便利なホテルだと以前から聞かされていた。もちろん彼は、そのホテルチェーンの上等クラスのメンバーである。日本の観光地、それも冬でも暖かい南の島に新しく出来たのだから彼も行ってみたかったのだろう!しばらくして、電話の相手からの連絡が止まったので彼は私がいることに気が付いた。

「今、以前から予約していた沖縄のホテルでもめてるんです、とにかくフロントに電話をかけたら爺さんのフロントマンが挨拶もしないし、横柄なんです。そのホテルですか?××ですよ」彼は、世界中のほとんどの人が知っているであろう有名ホテルの名前を言った。
「えっ、そんな有名なホテルのフロントマンが、そんなこと言ったの?今、働く人がいないから、その辺の爺さんにアルバイトでもやらせてんじゃないの?超一流とは言えないけど、そのホテルは一流だよ!そんな対応をするなんて考えられないよね」私が受けた。「でしょ?だから、そのホテルの日本の親元に電話して沖縄で新しく出来たオタクのホテルに電話したんだけど、フロントマンからこんなことを言われたんだと言ったんだけどね、親元も“うちのホテルは、お客様にそんな対応はしておりません”の一点張りで、親会社からの電話の相手も謝ろうとしないんだ」

客観的に聞いても、有名ホテルの対応ではなかった!その旅は、忙しい彼が仕事を忘れられる一時、二泊三日の楽しみな旅だったのだ!彼が帰る予定の次の日、沖縄でまた何かアクシデントがあったのでは、と思い待っていた。彼の顔を見て「沖縄、いやホテル、どうだった?」と尋ねた!
彼は、よく訊ねてくれたと言わんばかりの顔をしながら捲し立てた。
「訊いてくださいよ、まずホテルに着きました。そしたら女性のフロントマンが出てきて、ボクの名前を間違えるんです。そして、お客様のご予約は入っていないと言うんですよ!それから長いことフロントの前の椅子で待たされましてね。挙句の果てに、翌朝食堂にむこうの3人が往ったり来たり!ボクはクレーマー扱いですよ“これは美味しいジュースです”と言いながら不味いゴーヤのジュースを飲まされて!踏んだり蹴ったりでしたね!でも、これも勉強でした」
不味いゴーヤのジュースを飲まされ、いい勉強か~ぁ!実験動物じゃなくて!