境界線 | 閉門即是深山(菊池夏樹) | honya.jp

閉門即是深山 505

境界線

  
どうして人は、境界線を造りたがるのでしょうかね?
そして、なぜ境界線を挟んでいがみ合うのでしょうか?
何とはなくですが、動物的本能で境界線を造るのだろうかは、理解するところですが、造った境界線の相手の内を盗りたがるのでしょう!わかようで、わからないのです。あんなに大きな大陸の大きな部分を持ちながら、ロシアのプーチンは、小国ウクライナを欲しがるのは、なぜでしょう!もちろん大きな部分といっても凍てついた部分が多く、使い物にならないということもあるのかも知れませんし、もともと俺たちのモノなのだから、俺が所有する権利を持っているんだと、傲慢な権力欲があるのかもしれません。隣の芝生は、美しく見えるのか、それとも俺様の言うことは絶対だ!と、国の内外に見せたいのかもしれません!広大な土地を持ちながら、まだアレが欲しい、アレが足りない、なんて人間の強欲が透けて見えるような気もしますねぇ!もちろん、どうしてもこの場所を持っていなければ、と政治的な意味で行動を起こすこともあるでしょうが、何万、何十万の人たちを犠牲にするほどの事は、ないと思いますよ!

パレスチナとイスラエルの問題は、だいぶややこしい!いつ、何時から線引きするか?ややこしいのです。アラファトとアメリカ大統領が相談をし、妥協案が出来てガザ地区を造ることで我慢した。その時から始めるか?『旧約聖書』は、エデンの園と人間の最初の罪から始まる。この時から始まるかで天と地の差ができる。続けると「カインとアベル」から「ノアの箱舟」「バベルの塔」と話が続く、「主とアブラハムとの間の契約」が、旧約となる。主を唯一の神とした99歳になっていたアブラム(アブラハム)と妻サライに対して神は「約束地を与えた」。神は、アブラハムの前に現れ「わたしはあなたの子孫にこの地を与える」と言った。アブラハムは、そこに祭壇を築いた。主はアブラハムに言われた「私の示す地に行きなさい!」と。アブラハムは、主に言われたようにハランからマムレまで行った。マムレは、地中海沿いの道で、エルサレム、死海、ガザのある地であった。
主との契約で、75歳アブラハムは、やはり老いた妻の間に多くの家族を産んだ。ユダヤの人々の祖である。妻サライは、これ以上産めませんから侍女へ、そこに一人の男の子イシマエルが生まれた。侍女は、エジプトの女性で名をハガルと言った。その男の子の手を引き、アラブの国に彼女は帰って行った。同じ神との契約した血筋として!

妻サライは、主の命によりサラと名乗った。サラは、125歳まで生きた。アブラハムは、主の命に従いカナンの地ヘブロンの穴に埋葬した。人間の作った物語ですから、自分たちの都合がいいことを書きます。アブラハムすなわちユダヤ人の祖と、アラブ民族の祖が同じ神を崇拝し、ゆえに同じエルサレムに礼拝することとなったのです。ユダヤの民は、その後、トロイの木馬の物語や大ローマ帝国により地中海カナンの地から追い出されてしまいます。エジプトに逃れ、何百年、モーゼによりエルサレムに戻ろうとします。「モーゼの十戒」の話です。
さて、その地には、すでにアラブ民族が住んでいたわけで、ユダヤ民族は、そこから流浪の旅が始まったと聞きます!

もうひとつの境界線は、熊と人間です。命は重要ですが、駆除の行為をした役所への抗議が殺到していると聞きます。ならば、親熊でも子熊でも飼ってみればいいのです。一度人が弱いと知った熊がどう出るか?