アホかいな! | 閉門即是深山(菊池夏樹) | honya.jp | honya.jp

閉門即是深山 410

アホかいな!

アホなのは、私と小学校からずっと一緒で大学は別だったが、大学生活の4年間バンドを組み、彼がリードギター、私がドラムで、ほとんど土日、祝日、夏休み、冬休み、5月の連休。とにかくず~っと一緒にいた男のことだ。
その頃は、アルバイトで金が稼げた。今では、素人も楽器扱い、音楽の知識も、習う先生も増えて、学んだバンドが多いので太刀打ちができない。金が入らなければ、ただのド素人だが、この8年もギターとドラムで横浜を拠点とするド素人バンドに所属させて頂いている。女性たちの年齢は訊いたことがないが、粗々計算してみると平均年齢は、72歳を超えていると思う。20年も続いたバンドらしい。横浜らしくRed Shoesという。この年齢になれば、これはこれで、希少価値が生まれる。古いジーパンや人気のあったマイケルジョーダンのナイキの靴、いや、ビートルズモデルのギターやベース、復活以前のロジャースのドラムや分裂する前のジルジャンのシンバル以上の価値があるやも知れない!こんな話ではない!

9月の練習日に彼の口から「10月の練習は無しにしてくれないか?カミさんがギリシャに行きたいと言って利かないんだ。ボクは言ったよ、このコロナ禍で何ていうことを言うんだとね、だけどほら娘が外人と結婚して、今ギリシャにいるからね、居るうちに行きたいらしい!」言い訳に過ぎない!このドアホ!ボクなんて道路の向こう側の蕎麦屋にも行けないでいるんだ!ギリシャは、もっと遠いはずだ!それにカミさんが利かないんじゃないだろうが、お前だろうが!
結局帰って来て連絡が入った!「結構楽しかったぜ!」ちぇ、うるせ~ぇ!コロナでも何でもかかっちゃえ、絶対に助けてやらん!あんなゴミ袋を青いテープで貼って作ったような上着を着て見舞いにも行ってやらんぞ!

私が、道路の向かいにある蕎麦屋に恐々と入ったころ、マンションの知り合いが銀座に行ったという!鉄砲も持たずにアフリカの動物たちの中に飛び込むようなものだ!ボクだって好きなしゃぶしゃぶ屋が銀座にあるのに2年も我慢している。許せんが、今銀座がどうなっているのかを訊いてみた。あくまでも好奇心からだ!
どうもいつも降りていた地下鉄の駅に続く海外ブランドの店がなくなったらしい。ジョルジオ・アルマーニ、アルマーニ・ジーンズ、AX、ダンヒル、プラダ等々、買わないが冷やかしに入るショップが今はないらしい。金持ちの行くドンキ・ホーティみたいな店だった。もちろん私は金持ちではないから、そこで買い物をしたことはない!商品を弄り回して冷やかす最低の客。きっと店は、私を客と思っていなかったに違いないが…
「その跡は?」と訊くと「ヒャッキン、百均、百円均一のお店」だと言う。嬉しくはない!ほとんど毎日行っているような所だ!何も銀座まで行く必要もない。しかし、百円ショップに行くといつも思うのだが、行く前に何を買うか決めているのに、いったん店に入ると忘れてしまうのは、私だけだろうか!絶縁のための黒いビニールテープなどは、売るほど買い込んだ。何に使うのだろう!誰が履いたか知れない洗ったかも否か判らないGパンのポケットだけの入れ物、何に使えばいいのだろう?バラバラのコードを一本にまとめる優れもの!そのほうが邪魔である。